スキンケア市場には「シルク配合」を謳う製品が数多く存在します。しかしBIONDの「生のシルク」は、それらとは根本的に異なります。その違いは、シルクをどのように取り出し、どのような状態で肌に届けるか——処理の方法にあります。
シルクの構造が、すべての起点
シルクは、蚕が繭を作る際に分泌するタンパク質です。主成分はフィブロインとセリシンで、この2種類はアミノ酸が多数結合してできたものです。フィブロインは絹糸の芯となる部分で、βシート構造と呼ばれる規則正しい立体構造を持っています。この三次元構造が、シルク特有の滑らかさや強度を生み出しています。一般的なシルクスキンケアでは、シルクを水に溶かす際に高温処理や酸・アルカリ溶液を使用します。この処理によってβシート構造は崩れ、シルクは低分子のアミノ酸やペプチドへと分解されます。肌への吸収性は高まりますが、シルク本来の複雑な立体構造——それが持つ保水・保護の機能——は失われてしまいます。
「生のシルク」の抽出プロセス
BIONDが採用する「生のシルク」の抽出は、繭を薬剤や高温にさらすことなく、時間をかけてゆっくりと溶かしていく方法です。このプロセスにより、フィブロインのβシート構造を保ったまま液状化することができます。得られた「生のシルク溶液」は、加熱処理品と比べて分子量が大きく、粘度も高いと考えられます。これは、構造が壊れていないことを示している可能性があります。肌に触れたとき、この大きな分子は表皮の上に薄い膜を形成し、水分の蒸発を防ぎながら、肌のタンパク質と緩やかに結合していくと私たちは考えています。
なぜ「生」のままであることが重要なのか
肌は、タンパク質や脂質、水分などから構成される組織です。タンパク質はアミノ酸が多数結合してできたもので、表皮にはケラチン、真皮にはコラーゲンやエラスチンなどの構造タンパク質が存在します。ケラチンは角質細胞の強度を支え、セラミドなどの細胞間脂質とともにバリア機能を担います。一方、コラーゲンやエラスチンは、真皮の強度や弾力を支えています。シルクの主成分としてなめらかな質感と強度を生み出すとされるフィブロインは、肌を構成するアミノ酸のうち多くを共通して含んでいることから(20種中18種が共通)、肌のタンパク質と親和性が高いと考えられています。しかし、一度変性(構造が崩れた)タンパク質は、もとの立体構造を持つタンパク質とは異なる反応を示します。BIONDが「生のシルク」にこだわるのは、構造を保ったシルクだけが、肌のタンパク質と真に「なじむ」ことができると考えているからです。自然の力を、加工によって損なわない。それがBIONDの出発点であり、「Nature is Powerful.」というブランドコアの根拠でもあります。